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第五章 愛してる
ちょっと寄り道していこうぜ、と明に連れて行かれたのは、洒落たブティック・ホテル。
どうりで、と愛は唇を丸め、眼を細くした。
どうりで、さっきから刺激物ばかり私に勧めてきたわけだ。
二人は今、所用で都市まで来ていた。
昼食はエスニック料理、食後にはコーヒー。
おまけに普段は飲まない煙草まで吸わされて、愛の後膣はきゅんきゅんに疼いているのだ。
「いいだろ。な?」
「最初から、その気だったくせに……」
さらにフロントで解かった事だが、用意周到に予約までしていた明だ。
人気のホテルだから、と言い訳をする彼は、眼には見えない尻尾をちぎれんばかりに振っている。
これだけ期待させておいて、嫌だと駄々をこねるのは可哀想な気がした。
「趣味の悪い部屋だったら、帰るからね」
わずかばかりの抗議でもって、そんな些細な意地悪を言うにとどめた愛だったが、部屋に入ると負けを認めた。
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