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第五章・8

 キスをした。  愛の咥内に残る自分の味が、忌々しかった。  彼を汚した気がしていた。 「綺麗だぜ、愛。ホントに可愛い……」  だから、うわ言のように繰り返しながらキスをした。  角度を変え、深く深く繋がり、唾液を交換しながらディープなキスをした。  一方の愛は、無口だ。  いや、息が上がって喋れないでいるのだ。 「……ら。明」  名前を呼ぶのが精一杯。  熱い激しいキスに、それだけで体が震える。  身も心も蕩けてしまいそうになる。    明のキスは、やがて愛の体に移ってゆく。  喉、首筋、耳、肩、脇、鎖骨……。 「は、あぁ。んッ、ぅん」 「ここだけで感じるって、敏感だよな。いい体してるぜ」 「ば、ばかッ……、あぁッ!」  しまいには、胸の小さな乳嘴を唇で摘んだ。  そうすると、小さいながらもぷくんと膨れてくるのが不思議だ。  紅く染まり、存在を増した可愛らしい乳首を、明は散々可愛がった。 「や、ダメ。んッ! うぅ、んんッ!」 「いい声だ。もっと聞かせてくれよ」

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