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第五章・9

 舌でぬるぬるにしておいて、強くすすり吸う。  甘噛みし、舌先でくるくると転がすと、体の下の愛が引き攣った。 「も、ダメ……。ホントに……、あぁッ」  シーツを掴んだ彼の手が、桜色に染まっている。  ぎゅっと型が付くくらいに掴みしめたあと、ゆるりと脱力した頃合いを見計らって、明は体を起こした。 「交換、するだろ?」 「うん……」  はぁはぁとまだ口で呼吸している愛は、明のペッティングで一度達してしまったのだ。  スキンを着けていたので、シーツは汚さずにすんだ。  俺が着けてやる、と言う明の口調には、どこかイタズラめいた響きがある。  大きな掌で包まれ、ゆっくりと扱かれる愛のそれはすぐに硬さを取り戻した。 「も、これ以上は……ッ」 「萎えてたら、着けにくいだろ」  幸い明の意地悪はそこで終わり、ちゃんとゴムを着けて解放してくれた。  もっとも、彼自身がもう我慢できないところまで来ていて、道草を食う余裕が無かったのだが。

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