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第五章・11
「素敵だぜ、愛。マジで最高だ」
「……」
返事はせずに、顔を背けた。
明はいつもこんな風に、言葉で愛を伝えてくれる。
体だけでなく、心も抱きにきてくれる。
だけど、それが飾りに聞こえてしまうのはなぜだろう。
キスの巧い明。
口の巧い明。
本当に聞きたい言葉は、他にあるはずなのに。
「挿れるぞ」
ぐりり、とローションまみれの先端が、浅いところに挿入った。
途端に、押し出す勢いで後膣が締まる。
押し出されてはたまらないので、明は、ずん、と中ほどまで腰を挿れた。
内壁の襞が絡みつき、きゅうきゅうと絞めてくる。
温かな愛の体内は、今度は奥へと明を吸いこんで行くようだった。
「う……ッわ。たまんねぇ」
最後までかっちり挿れてしまうと、明はようやく愛に気を配り始めた。
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