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第五章・18
木立のざわめきと、鳥の声。
麓で聞こえる人々の営みの音。
少し汗ばんだ肌を撫でる、風の心地よさ。
静けさのもたらす全てを受け止め、愛は明からのキスを味わった。
柔らかな唇と体温。
大切に大切に、壊さぬようにキスされた。
愛おしそうに、キスされた。
そしてハッキリと、こう言われた。
「愛してる」
疲れた頭と口とで明が思いついた言葉は、シンプルだった。
愛してる
俺は、愛を愛してるんだ。
こいつは確かに綺麗だし、可愛いし、美しい。
だが、まず真っ先に思いつくのは、愛してる、って事だろ。
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