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「⋯⋯やはり綺麗だ」
瑠輝の両手はそう言った男の大きな右手により、一括りにされていた。
「嫌味かよっ」
羞恥により、瑠輝は耳まで真っ赤にする。
「いや、嬉しい。瑠輝が誰のモノにもなっていないことが分かって」
誰のものにもなっていない、淡い色した震える熱雄を躊躇いなく煌輝は口に含む。
「ああぁ⋯⋯」
咥えられたところから、体験したことのない新しい刺激が全身へ走る。同時に、甘く鼻にかかった声が瑠輝から洩れた。
形の良い唇に熱雄がじゅうじゅうと音を立てきつく吸われていく様に、益々瑠輝は羞恥を覚える。
「⋯⋯ずかしぃ」
「大丈夫だ。誰もいないし、夜だ」
気を逸らすように、煌輝はその根元の下方へ双つ並んだ双珠へ触れた。
「ふっ⋯⋯ああ⋯⋯あ⋯⋯ぁ」
立て続けに感じたことのない強い快感が、全身を突き抜ける。
続いて煌輝はそこへも舌を這わせ、その膨らみを器用に口腔内で交互に転がす。
「ひゃん⋯⋯ンぅ⋯⋯んああ⋯⋯ああっ⋯⋯ヤっ⋯⋯でちゃ⋯⋯」
下腹部の強い吐出感から逃れようと、瑠輝は左右に大きく腰をねじった。より刺激は増し、更に声が洩れる。
「やぁ⋯⋯ン」
瑠輝を咥えたまま煌輝は満足そうにうっそり笑うと、その裏側をれろっと舐めた。
「ああっ」
裏筋がどくどくと脈打つそれに煌輝は手を絡め、激しく上下に動かす。
――もうダメ、ダメだ。
煌輝の口の中で僕⋯⋯イっちゃう。
「イっていい」
心の中の言葉が聞こえたかの如く、煌輝はそう告げる。
――良い訳がない。
瑠輝はそう思ったが煌輝は、本気でそう思っているらしい。口も手も、止める気配はなかった。
小ぶりのそれを口に含んだまま、煌輝はれろっと裏側から先端まで舐め上げる。先走りの涙蜜が溢れて止まないその鈴口にも舌を這わせ、その後じぅときつく吸い上げた。
「ンっ! ああ⋯⋯ン⋯⋯ァあああ!」
目の前は白み、自身の熱雄は口腔内で一度大きくしなる。途端、鈴口からは熱くねっとりとしたものが、とぷとぷと吐き出され、煌輝の口腔内を侵していく。
一切煌輝はそれを吐き出すことなく、喉元をごくんと揺らし、その全てを飲み干す。
――ウ、ソ。
僕、ボク⋯⋯煌輝のお口の中で⋯⋯イっちゃった?
いつの間にか空を流れの速い雲が覆い、月灯りは息を潜めていた。波の音は変わらず聞こえていたが、やや荒波のようにも思える。
「ご馳走様」
吐精したそれから口を離した煌輝は、そっと口の端を上げて言った。
偶然、月灯りが雲の隙間から姿を見せ、灯りを背にした煌輝の顔が逆光に映る。
だが、奇跡的に月の光りがその唇を照らし、飲み干せなかった瑠輝の残滓がきらりと淫靡な輝きを放つ。
ぞくりとする光景だった。
唇に輝るそれは、自身が放出した恥ずかしい情欲だというのに。
達したはずの瑠輝の雄は、それだけで熱を取り戻していく。
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