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「俺の顔を見て激しく取り乱されるよりは、まだマシだから」
悲しそうに自嘲する煌輝に、それ以上瑠輝は口を噤んでしまう。
「俺の覚悟は伝えた上で――とにかく今は、瑠輝の気持ちを第一に考えたい」
何一つ瑠輝を責めることはなく、煌輝はただ寄り添う姿勢だけを見せる。
「瑠輝を不安にさせていることがあれば、今は話せなくても、いずれ全部⋯⋯俺には打ち明けて欲しい」
跨っていたはずの煌輝はそこから力なく降りると、瑞々しい瑠輝の頬を左手で一撫でした後、背を向けた。
反射的に瑠輝は飛び起き、謝罪を口にしながらその背へ抱きつく。
「ゴメン、煌輝⋯⋯」
どう伝えたら良いか分からない自身のこの複雑な想いを、煌輝に触れているこの両腕へ強く込める。
「そこは“ゴメン”じゃなくて、“好き”とか“愛してる”とかの方が、本当は嬉しいんだけど」
苦笑した煌輝に、今度は瑠輝からその唇へ接吻をした。
最初こそ大きく目を見開き、煌輝は驚いた表情をして見せる。
だが元々、下腹部へ有り得ないほどの熱を孕んでいた男は、自身の立てた誓いをいとも簡単に破り、再び瑠輝を組み敷く。
「すぐに、俺のことだけしか考えられないようにしてあげるから」
煌輝はそう告げると、蜜を引くほどの深いキスをし、手馴れた様子で瑠輝を一糸まとわぬ姿にさせていった。
「⋯⋯恥ずかしい」
頬を赤らめ、瑠輝は一切の視線を煌輝に合わせず小声で呟く。
「煌輝も⋯⋯脱いで」
羞恥により、戸惑いながらねだる瑠輝に煌輝は愛おしさを感じた。今まで身体を重ねた誰にも、これまでの愛おしさを感じたことはない。ましてや、オメガとはいえ自分と同じ男相手に。
煌輝はそのまま何の躊躇いもなく、自身の上着を全て脱いだ。
細部まで鍛え上げられた上半身が露わとなり、瑠輝の視線がじっとそこへ強く注がれる。
同時に、まだ誰にも触れられたことがないだろう瑠輝のバージン色した屹立が、ひょこんと可愛いらしく首を擡げていくのが見えた。
もじもじと瑠輝は膝を動かし、その反応を必死で隠そうとする。しかしその隙間から、チラチラと淡く綺麗な先端が見え隠れし、煌輝の下腹部は痛いほど根幹から熱く滾っていく。
「煌輝のそこ⋯⋯」
不意に瑠輝が喋り始めた。
「俺の、そこ?」
怪訝そうに煌輝が問い質す。
こくっと瑠輝は恥ずかしそうに小さく頷き、煌輝の窮屈そうな下腹部へと視線が向けられた。
「脱がないと、煌輝のソコ⋯⋯苦しそう」
続けて恥じらいながら告げる瑠輝の、その全てがとてつもなく愛おしいものに思え、煌輝は自身の熱雄を衝動的に捻り込みたい欲求に駆られる。
これは一体、瑠輝に試されているのだろうか。そう思った煌輝は、マロン色した瞳を眇め、とろんとした顔の瑠輝の真意を探ろうとした。
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