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先端だけでも熱く重量のあるそれが、捻り込まれるように侵入し、瑠輝は強い違和感からぐっと息を詰めた。
「瑠輝、息を吐いて。これ以上、キュウキュウに締め付けられたら、さすがに俺もキツくて先へ進めない」
困惑した表情で煌輝は言う。
「まだ完全な発情期を迎えていないせいか? 中々、柔らかくならないな」
先だけを孔へ残した状態の煌輝は、力をなくした瑠輝の熱雄を優しく何度も根元から擦り上げる。
「ァあああ」
じんわりと熱雄から拡がる甘き快感に、詰めていた瑠輝の呼吸も正常なものへと戻っていく。僅かなその隙を狙い、ググッと煌輝も容赦なく身体を押し進めた。
「はァン……ンんん」
瑠輝の肉襞が、煌輝の熱雄にねっとりと絡みつく。ドクッと煌輝の熱雄は膨らみ、瑠輝の内でその存在を大きく主張する。
「瑠輝、内にいる俺が分かるか?」
返事の代わりに、煌輝の熱雄をぎゅうぎゅうとこれ以上なく締め上げていた。
「最初から、優しくできなくて悪かった。だが、それだけ瑠輝と――本気で番になりたいと思っている。だから……」
瑠輝の頬へチュッとキスをすると、煌輝はそっと手を絡ませた。
たったそれだけのことだというのに、瑠輝の胸にはグッと熱いものが込み上げてくる。
煌輝に揺さぶられていく。
煌輝でいっぱいになっていく。
龍臣のことなど、遥か昔の出来事だったように、煌輝で自身記憶や感情が上書きされていく幸せを感じていた。
「愛してるよ、瑠輝。俺だけの可愛い番。もう何があっても、絶対に離さない」
六月五日、もう間もなく二人がまた一つ年を重ねようとする直前のこと。
アルファのノットに孔を押え込まれ、とうとう瑠輝は身も心も、煌輝を受け入れる覚悟を決めていた。
身分違いのせいで、もしかすると実際には煌輝にとってオメガの愛人という位置づけになってしまうかもしれない。
それでも良い。
こんなにも誰かから愛された記憶は初めてだから、それだけでもう十分だと思った。
幸か不幸か、瑠輝は完全なる発情期を迎えていなかったせいで、項を噛まれることはなかった。
「――煌輝、僕も……僕も、愛してる」
共に欲望が果てた瞬間、瑠輝は散り散りになる意識の手前、そう想いを微かな声で遂げたのである。
小さな、小さな声で、果たしてそれが煌輝の耳へ届いたのかどうかは一切不明だったが。
目を開けたら、そこには生まれてきて、多分一番幸せな誕生日が始まるのだと、密かに瑠輝は幸せな日々を想い描いていたのであった。
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