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004.俺たちはもう戻れない

 振り返ると足跡が二つ、波打ち際に沿うように並んでた。  これだけ見るとまるで俺たち付き合ってるみたい。でも実はついさっき、ちょうどあの辺りの砂を踏んだ時に玉砕したばっかりだったりする。  友達のままでいよう、とは言われたけれど、よく見れば振られてからは足跡と足跡の距離が開いていた。それを見て悟ってしまった。 「友達のままなんて、できっこなさそうだ。」  どんなに気をつけても、もう俺は、お前にとって心地よいばかりの友達じゃいられないだろうから。  俺がぽつりとぼやいた瞬間、泣きそうな顔でお前が振り返った。  そんな顔するなら、いっそ付き合ってくれりゃいいのにな。

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