「おみくじ？　引かなくても大吉が出るってわかってるのになんで引くの？　どうしてわかるかって、だってお前と一緒じゃいつでもどこでも楽しいし、大吉以外になるわけないじゃーん！」 　新年早々｜うざめ《圏》に能天気な恋人に、思わず呆れかえってしまった。 　とはいえ、せっかくの初詣。通過儀礼と言い聞かせて無理矢理おみくじを引かせてみたら、あろうことか凶なんて出てきたものだからまた大変！ 「これってさ、俺が幸せすぎるからって神様が嫉妬してたりする？」 「知るわけないだろ。」 「もしかして今年中に俺って捨てられちゃうの……？」 「ないないない。」 「じゃあまさかお前に何かあったりするのかなぁ。俺っ、お前が死んだら生きていける気がしないんだけど……！」 「泣くの早すぎじゃね？」 　まさかこんなにめんどくさくなるとは。 　コイツのおかげで幸せになってるオレが輝かしい大吉をずばり引いたことは、しばらく黙っておこうかな。