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013.悲しみはひとつに

 風が吹き始めればさよならの合図。  膨らんだ帆が君を運び始める。  きっともう二度と会えないね。  だから今日はたくさん泣いておこう。  海はたくさんのしおみずでできている。  だから僕の涙も、必ず君の航路を支えるだろう。  そしてきっと君の涙も、いつか海原へ落ちてくる。  風に分かたれた僕たちでも、この悲しみだけはひとつになれるかな。

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