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025.末の露本の雫
唇を交わしている間は、この瞬間が永遠のようにも思える。
まぐわいの最中には、この一瞬が永劫のようにも思える。
でもそれは全て勘違い――。
頤に滴る水晶のような唾液も、達した君の白い情慾の蜜も、この脚に伝うぬめらかな潤いも、月が真上に昇る頃にはカラカラで。
だから抱いてよ。
今夜も抱いて。
陽が昇っても抱いていて。
明日も明後日も僕を抱いて。
ひび割れ枯れきって死ぬのなんてごめんだね。
中を掻き混ぜて欲を注いで、いつも君の雫で満たして。
ぬるい波打ち際のように心地よいコレを、どうか君が永遠にして。
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