「また振られちまったよぉおお……！　うえっ、ええっ、ええう、うぅ……、」 「そんなに落ち込むことないって。女なんて星の数ほどいるんだぞ？」 「でももう何度目だと、ひくっ、ひっ、」 「お前背が高いし、あれだけ身長差あると怖いのかもな。」 「ひぐ、ひぐっ、気が付かないうちに、うっ、威圧してるモンなのかなぁ？　ううぅーッ！！　ちーんっ！」 「そうなのかもなぁ。ま、女心は難しいもんだしな。とりあえず飲もうぜ。オレがいくらでも励ましてやるって。」 「ふええああああああんっ！！」 ＊＊＊ 　いつだって警戒は怠ってないつもりだけど、気を抜けばすぐ彼女ができてるんだから、本当にお前は凄いヤツだ。 　予防に撒いておいた噂のおかげで、ちょっと揺さぶればすぐ別れてくれたのが唯一の救いかな。 　裏から手を回すの、結構ホネだからな。これからはもっと用心しないとな。 　オレが女だったら良かったのにって酔い潰れたお前が呟くのを聞くと、本当に嫌になる。 　早く気付けよ。オレはお前のこと、ずっと待ってるんだぜ。 　――そうは思ってても、待ち続けるのもそろそろ限界だったらしくて。 　翌日スマホに入ったメッセージを見て、オレは思わず嗤ってしまう。あーあ。 『なんでお前、別れた彼女と俺の身長差知ってたの？』 和花言葉BLSSSシリーズ お題: アキノキリンソウ/花言葉「予防」「用心」「警戒」「励まし」