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041.キスの日

 唇を重ねた瞬間、ビビーンッ! と電撃が走ったような気がした。 「これで満足?」  そう言って離れていった親友の顔を前に、俺は思わず、勃っている。  そもそもキスの日なんてふざけた日があるのがおかしいんだ。バレンタインに義理チョコがあるなら、キスの日に義理キスがあってもよくね? なんて俺が馬鹿を言い出して、無理矢理コイツに付き合わせた、だけ、だったんだけど。 「ちょ、なにそれ。」  呆れた目を股間に向けられて我に返る。そりゃあそうですよねって思わなくもない。それでも、俺は咄嗟に「お前こそなんなんだよ。」って言い返してしまった。 「なにが?」 「お前ホントに男?」 「は?」 「唇めちゃくちゃ柔らかいんだけど。」  まさか俺が知らなかっただけで、この男はホントは女だったりするんだろうか??? だとしたなら、俺、このまま襲っちまいそうなんだけど??? 「ちょ、服脱げ。」 「は、はあ!?」 「いいから脱げって。」 「な、なにすんだよっおまっ!?」  考えてみたら間違えようがないよな。学生の頃にはお互い授業で水泳パンツ履いてたし、修学旅行も同じ班で風呂も一緒だったし。  でもな。 「……お前、こんなやらしいやつだったのかよ……っ。」 「人の服引っぺがしといてその言い方はないだろーッ!?」  肋骨が浮いたぺったんこの胸板に、ラインが浮き彫りになったボクサーパンツ一枚。  こんな格好、銭湯にでも誘えばいくらでも見れるはずなのに、なんだって今夜はこんなやらしく見えるんだろう。劣情が、止まらん……。 「……キスの続き、していい?」

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