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第3話

「これで大体は落とせたか…」  体育館の横に設置されている流しで手や体を水で洗った俺は再度じぶんの体を見やった。  やはり水だけだと落としきれない汚れがあるのか所々かすかな汚れが目立つが、これらの汚れは洗濯すれば落ちてしまうだろう。  だがしかし、問題は濡れた制服のことだ。  今は昼休みで午後の授業まで幾分か時間があるものの、服が乾くまでの余裕はない、その上、今日はあいにく体育の授業がない日で代わりになるような服も持ち合わせてない。  ウーンと俺は頭を捻った。  これが友達のいる奴なら体操服を借りてどうにかなっただろう。  しかし俺には友達と呼べるような人間はいない。ならばどうするか。  それから少し思案したところである考えが頭に浮かんだ。  保健室になら仮の服が置いてあるのではないかと思ったのだ。  そう考えが思い至った俺はさっそく保健室へと足を動かせた。

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