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第11話
ここは…どこだ…?
徐々に脳が覚醒してきた俺は目を開けて、それから自分が白いベッドの上に横たわっていることに気がついた。
さらに目を動かすと見覚えのある部屋、ここが保健室だとわかった。
なぜ自分が保健室にいるのか理解できず身を起こそうと体に力を入れたが、
「いっ…」
突然、体から痛みがはしった。
思わず顔を顰めるが、幸い我慢して急な動きをしなければ何とか体を動かせるレベルの痛みなので、そろそろとベッドから身を上げる。
「あら、目が覚めたようね」
シャッとカーテンが開く音がして、そちらに視界を移すと保健室の先生がカーテンの端を掴んで顔を覗かせていた。
「体調はどう?」
「あ、普通だと…思います」
「殴られた痕は?」
「…⁉」
顔は鈴村もバレるのが怖いのだろう殴られなかったが、制服の下には夥しい打撲傷がある。それを彼女に見られてしまったのかと俺は思わず息を飲んだ。
昨日の今日である。昨日のことも含めて、今回のこの傷を見られてしまったら流石に言い逃れはできない。
「ええと…その…」
言い逃れが出来ないと悟ったが、それでも何とかごまかそうと頭を回転させる。
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