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第24話
ついに放課後がやってきた。
それと同時に俺は緊張で鼓動がドクドクと速くなる。
俺は昼休みの時のことを思い出す。
一週間前は例外であったが、昼休みは鈴村達にお金を抜かれる時間だ。
正直、お金は一週間前から底をつきかけていたが、あの日、兄が帰って来たと同時に両親も家に帰るようになった。そこで、両親に今のままのお小遣いでは足りなくて、お金が欲しいのだと頼みこむと怪訝な顔をされながらも、鈴村達に要求される金額の何日か分のお金を貰うことが出来た。
それから、俺は鈴村達を怒らせないほどの十分な量のお金を入れ込んだ財布を持って鈴村達のいるところに行った。
そして行った先にいつものように居た鈴村は普段と変わらぬ平然とした態度でいたのだが、去り際に仲間と例の手紙のことについて話していたのが耳に入った。
断片的な内容しか聞こえなかったが、茶化す仲間を鈴村は制し、あの手紙の書いていた通りにするのだと言っていた。本当かどうかはその後、そそくさと去った俺には判断しかねるが、その言葉通りだと空き教室にくる可能性は大いにある。
そこまで思い出して手のひらから汗が滲み出ているのに気が付いた。
それから、作戦のために早めに行かなければならないことを思い出して、鞄をつかみ、急いで空き教室に向かった。
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