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後書き:皆様へ感謝を込めて(羽多より)

拙作「期間限定の恋」を最後までお読みくださり、本当にありがとうございました。本作は、第一部となった当初執筆部分5万字弱に加え、第二部が6万字弱となったので、10万字を超える長編小説へと成長しました。 何より嬉しかったのは、読者の皆さまが、主人公の勇樹と訓志を愛してくださったことです。特に、訓志の愛されはすごくて(笑)、彼のピンチには心配してくださり、彼が悲しんだ時は一緒に心を痛めてくださり。いただいたコメント・リアクションに、本当に励まされました。勇樹と訓志を見守ってくださる皆さまの為にも、絶対彼を幸せにしてあげないと…と、良い意味で意気込んで書かせていただきました。 当初、第一部を書いた時は、続編を書く予定はありませんでした。 あんなにきれいなシンデレラストーリーのハッピーエンドで、「めでたし、めでたし」で締め括りましたし、学歴・職歴のない訓志が、勇樹について渡米しても、語学や仕事で苦労することは目に見えていたので、そこはあんまり考えたくないなぁ…というのが、実は、第一部を書き終えた時の私の偽らざる本音でした。 第一部は、ありがたいことに、私の創作の中で最も多くの読者様に気に入っていただきましたので「ぜひ、第二部を書くべきだ」と、創作仲間に背中を押されたのです。半信半疑で、Twitter上で、「羽多の創作、次に読みたいのはどれ?」と、他の選択肢も交えてアンケートをしたところ(ご回答くださった皆様、ありがとうございました!!)、ダントツの一位は「期間限定の恋」第二部でした。 訓志の成功のイメージがなかなか描けず、構想に苦労しました。実は、プロット段階では、もうちょっと違うゴールを想定していたのですが、執筆中に、アイデア・イメージが膨らみ、「パフォーマーとしてはプロとして成功は叶わなかったが、大好きな歌やダンスを教えることを通じて、周りの人に幸せを与える」というところに辿り着きました。手前味噌ですが、私自身は、この結論には、すごく納得しています。彼らしいな、とも思います。 でもでも、ここまで訓志が成長できたのは、偏に、彼の幸せになった姿が見たい!と応援してくださった読者様のお蔭です!!(声を大にして言う) 第一部が「プリティ・ウーマン」のようなシンデレラストーリーだとすれば 第二部は「ワーキング・ウーマン」「プラダを着た悪魔」のようなお仕事サクセスものに近くなりました。(あるいは「魔女の宅急便」か?) 一人の青年の成長物語になりましたので、第二部は、訓志目線(一視点)のみで語られる形式にした点が、第一部とは異なっています。 第一部では、イケメンスパダリだった勇樹も、第二部では、アメリカーンな愛情表現をしたり、嫉妬に燃えて訓志を束縛したりと、人間臭い面も見せます。喧嘩もしましたが、雨降って地固まる、ではないですが、より二人の関係が対等で強くなったのは間違いありません。冒頭、勇樹は「(俺が)幸せにしてあげる」と言っていますが、喧嘩した後は、「学費は立て替えておくよ」と、自分の稼ぎを得られるようになって欲しいという期待を掛けることで、訓志の男のプライドを立てるよう、態度が変わっています。 話は変わりますが、脇役好きの羽多としては、本作では徹頭徹尾「良い人」だったディックがお気に入りだったりします。どうにかディックを幸せにしてあげたいなー、と思ったものですから、最終話では、それとなく彼の新たなロマンスの可能性を匂わせておきました。 ぜひお気軽にご感想などをお聞かせいただけると幸いです。 勇樹と訓志の物語は、これで終わる予定ですが、いつかまた、スピンオフや番外編SSを書くかもしれません。その時は、ぜひまた彼らのお話を読みに来てくださると、望外の喜びです。 最後に次回作の宣伝をさせてください。 第15回ディアプラスBL小説大賞に応募し、第三次選考を通過した「アフリカの王子様」を、今夜から再公開いたします。なお、初回ウェブ公開時と比べて、大幅に改稿していますので、一度お読みくださった方にも、読み応えある内容になっているはずです。公募提出稿ほぼそのまま掲載します。(ウェブにあわせて行明け等は少し増やしています。また、分割したので、それに伴う若干の繋がりの修正はあり) タイトルは「王子様はまだ恋を知らない」に改題しました。 https://fujossy.jp/books/19566 末筆となりますが、本作をお読みくださった皆さまに、重ねて御礼申し上げます。本当にありがとうございました!!

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