5 / 59

日常。2

着替えて、歯を磨き、、、よし!そして、最後に 「ハル、ネクタイ」 そう、仕上げのネクタイは、朝の準備中俺のことを眺めてた陽輝がしめる。俺だって、1人でネクタイぐらい結べる!多分。。多分というのは、やったことがないから、分からないのだ。ネクタイははじめから、陽輝がすると言ってきかないのだ。 俺たちは、離れから出て、紫雨と書かれた門札がついた塀から外へ出る。 「行ってきます。」 ボソッっと俺は呟く。今自分たちが出て来た家を見ると 外見は古風で中央に屋敷がそびえ立っている。俺は、許可がないと立ち入れられない。 これには、事情がある。 紫雨家とは、茶道の1つの家元。俺 芦ケ谷澪は、その当主である父の息子である。しかし、1人の愛人の息子だ。正妻からは、もちろん厄介者である。先程俺が寝ていた離れは、使用人たちの部屋の一室である。 父は、俺の母をすごく可愛いがっていたらしいが、俺を産んだとたん亡くなってしまった。俺を家から追い出すのも考えたらしいが、後で利用出来るのでは と思い部屋を与えてくれた。正妻が紫雨の名を俺が語るのは、腹立たしく思うらしく、俺は母の性を名乗っている。 茶道のプリンス父の愛人の溺愛っぷりは、有名らしかった為、俺の存在が茶道界には知られていて、正妻が周りにわかるような身体的な嫌がらせはないのが救いだ。 しかし、小さい頃から、陽輝がいてくれたから、寂しいと感じたことは無い。

ともだちにシェアしよう!