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陽輝の思い-過去-

澪の家から帰って来て、高層ビルに陽輝は、入る。 がたいのいいどもが一斉に振り返り挨拶をする。 「陽輝さん、おかえりなさい」 最上階にある一室 つまり俺の部屋に行く途中で考える。 そういえば、挨拶してくれる家だったんだな。。容赦ない特訓をさせられているが、このような家の子に産まれた義務だ。親父は、訓練以外は俺に甘いし優しい。部下からは、「愛されてますよね〜」と良く言われるが、今になってやっとその言葉の今がわかった。 ‎ ‎ ‎そうか。俺は家族に愛されているのか。。澪は、愛してもらえてない。 ‎ ‎ ‎「ふふふフフフ…」自室に着くと思わず、笑いがこぼれる。 ‎ ‎ ‎澪がもらえてない分、俺があげればいいじゃないかーーそうしたら、きっと澪は俺だけの存在しか頭にないようになる第一歩になるだろう。 ‎ ‎ ‎俺は忠実な部下を1人呼ぶ。 ‎「陽輝家の使用人に空きが出たら、使用人として潜入。愛人の子供である芦ケ谷澪への精神的虐待の証拠を掴め」 ‎部下は、命令をうけて口を開く。 ‎「承知致しました。ーー ‎陽輝さん、随分とふっきれたご様子で安心致しました。」 ‎ ‎ ‎そう言って立ち去る部下の背中を見ながら、思う。 ‎ ‎ ‎そうだな。今まで ‎何の為に裏の社会に生きようとしてたか分からなかったが、今は、 ‎澪を守る為だ。 ‎その為には、特訓を積み重ね、今は少ない忠実な部下を増やし、親父の跡を継ぐ。今の俺には、名家1つですら、制圧できない。力が必要だー。 ‎ ‎ーーー澪がしばらく休んで ‎ ‎ ‎澪は、何ごともなかったように過ごす。触れて欲しくないのだろう。何故笑顔なのか。と尋ねると、俺は望まれてない存在なのに、部屋をもらって学校に通わしてもらっている。だから、せめて皆の気持ちが良くなるよう動いているんだ。 ‎ ‎ ‎と ‎ ‎教えてくれた。 ‎ ‎ ‎澪の思考回路は、力で押し通すことしか習ってない俺には、理解出来なかったが、、 ‎ ‎ ‎俺の為だけに、笑うようになればどれほどの満足度が得られるのだろうと思った。 ‎ ‎ ‎俺は、その時から澪のことが可愛くて健気で、 ‎、澪と一緒にいると自然と笑みがでるようになった。 ‎ ‎優しく、壊れないように、近づいていこうーー。

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