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文化祭

澪達の学校では、受験の為に、高校2年生で最後の文化祭だ。 今は、放課後の何をやりたいのか、意見をクラスで出している。クラスの中心的な人物が大きな声で意見を言っている。 「やっぱさ、最後の文化祭は、お化け屋敷だろー」「お化け屋敷、いいねー!」「ウチも、さんせー!」 澪は、前の席の野球児の肩を人差し指で、ツンツンとする。「なぁなぁ、お化け屋敷って入る客より、作る方は、怖くねぇよなー?」野球児は、「芦ケ谷、見た目通りの怖がりかー!」と茶化してくる。「うるせー!俺は怖いもんなんて、ねーよっ」 と、くだらないやり取りを交わしているうちにクラスの希望が決まったらしい。委員長が叫ぶ。 「俺らのクラスは、第1希望はお化け屋敷、第2希望はコスプレ写真館、第3希望は謎解きアドベンチャーで、いきまーす」 はーい、と同意のクラスメイトの声と共に席を動かす音が聞こえ、運動部を先頭にして教室の外へと、我先と走り去ってく。 澪の元に陽輝と祐介が寄ってくる。陽輝が切れ目をさらに細めて微笑む。「澪は、お化け屋敷怖いんだよね。」 そのセリフに、イラッとした俺は、「はー?大丈夫だし!全然いける!」とすました顔で言った。もちろん、唇はワナワナ震えていたんだけど。 そんな澪に陽輝は静かに片方の口の端を上げた。澪は、震える唇を隠す為にそっぽを向いていたので、陽輝の表情変化には気づかない。

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