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文化祭6-陽輝視点-

澪の方手で潰してしまいそうな頭。澪の小さな癖があるけどサラサラで梳くのが癖になっている髪を撫でまわしながら悦に浸る。 ーーー 今までの文化祭は、澪にコスプレさせて目を楽しませていたが、久しぶりに澪の泣き顔を見て見たくなって今回の計画を立てた。 泣かせたいからと言って他の奴に作らせた暗闇で俺の澪が泣くのも嫌だったので、生徒会を脅しわざわざ自クラで作らせた。 しかし、お化け屋敷の何処に何の仕掛けがあるか、知っているのにも関わらずあれだけ脅えたのは、計算外だった。 暗闇がトラウマかーー。澪の心身は、紫雨家に囚われいることを改めて突きつけられ、腹立たしく思う。 暗闇がトラウマになるような事、紫雨家に送り込ませた密偵からは無い情報だ。恐らく、密偵を送る前にそうさせられたのだろう。 お化け屋敷で怖がらせて、俺が優しくし澪の泣き顔を見る予定だったけけど。 ーーまぁ、当初の目的は、泣きながら俺に縋ることだったので、良しとするか。 ーーー 陽輝は、さりげなく澪の髪や服の上から匂いを嗅いでいると、澪が頭1個分程上にある俺の顔を見上げてきた。いわゆる上目遣いというやつである。 どうした?と言葉で伝える代わりに微笑みながら頭をかしげると、 「あ、俺もう大丈夫だから、、そろそろ行こう?」 澪は、そう言って立ち上がり1人ドアへ向かっていく。 その姿にため息をつく。俺の胸で泣かすことは出来ているのに、親友の扱いしか受けられない。 少しばかり顔を赤らめたりすることがあってもいいのでは。。?と何度思ったことか。。「俺のものにならない?」と言ってみたものの「もう、なってるよ」と言う。 不満に思うが、澪が好かれていると自分で思うことが出来ないのは、わかっている。 今は、しょうがないか。最後の文化祭を澪と楽しもう。 そう思考を切り替え、澪が出ていったドアに向かい追いかけていった。

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