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獲物はもがく。

大変お待たせ致しました。m(__)m 次回の更新は、8月22か23日を予定しています。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー はぁ゛.......ァ... 思わず漏れた ため息が自分の予想以上に枯れて いて、 澪は重い腕を上げて 自分の平たい喉を さする。 どこかオレンジがかった光のもとで目を開けた澪は、 あえて無感情のまま、自分の状況を確認した。 いつかと同様に陽輝は、居ない。自分は、相変わらず素っ裸。 黒々した首輪。両足に足枷。体中に纏わり付いた赤い 大きな黒子たち。 ーーー 唯一変わったのは、手首に何も付いていないこと。 陽輝が居ないことには、とりあえずホッとして、息を 吐いたのだった。とは言っても、いつ帰ってくるなんて知らないけど。 息を吐いて、無意識に力んでいた体が軽くなり、 突如襲ってきたのは、鋭いけど鈍い自身の痛み。 自身というのは、体だけじゃなくて心も傷んでいるからだ。むしろ、心の方が重症かもしれない。 意識して無感情のまま自分の体を見たのだが、無感情でいられたのは、一瞬だった。痛みと共に陽輝の熱が 脳内に蘇る。 「ふ、グゥう゛...」 陽輝を思い出し、澪のひとみから涙が溢れ出す。

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