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カーマインに染まったー陽輝ー2
その後、仕事諸々、話をし終わった陽輝は、
部下に、自分専用に用意された家へと車を走らせた。
家は、別荘のように郊外に作り、辺りを森で囲み、
外観は洋風にした2階建てだ。
ここには、澪が居る。澪は、地下で24時間監視カメラの元で過ごしているので安全だ。
使用人や部下達が頭を下げる中で、俺は颯爽と
スーツのジャケットをなびかせて通る。
行先は、ある一室だ。気持ち的には、最初に澪の元に駆けつけたいが、そうとも言ってられない。
目的である部屋の扉を開けると、澪の地下室があらゆる角度から写し出されたものがいくつも並んでいる。
ずっと映像を見続けて監視している見張り2人に声をかける。
「なんも、無かったか?」
1人は、金色頭の祐介。もう1人は、黒縁メガネの暁(アキラ)だ。
祐介は、俺と同じ未成年の上、俺と過ごして組の中ではまだ日が浅く、不安なところがあるが、
普段の澪を知っているため澪の異変かあった時に気付きやすいだろうと、選んだ。
暁は、小さい頃からの俺の世話係で1番組の中で信頼をおいている人物だ。
この2人で俺がいない時に、監視してもらえば安心だろう。だが、本当はずっと離れたくないという思いがある。ーーー澪が、逃げないという確証があれば付き人として連れ回せるのにーー。
「陽輝さん、なんも無かったっスよ」と祐介。
「そうかーー。お前達は、もう休んでいいぞ」
2人が一礼して、監視部屋を後にする。
陽輝が監視部屋で1人になった途端、澪の部屋の監視カメラの録画を3倍速で全てみる。大部屋と浴室のカメラだ。色んな方向から澪の行動が記録されている。(さすがに、トイレには設置していないが)
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