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偽りの生活 2 (途中から陽輝視点)
陽輝が用意してくれただろう、クロワッサンと牛乳を摂取して、
ゴロゴロ... ゴロゴロ..
ボクは、今、することがない。痛めた腰をかばいつつ
広いベッドを堪能していた。
陽輝が帰ってきたら、また行為が始まってしまうのか恐くなるけど、地下のような場所で1人でいるのは、どうしても心細い。
人肌の恋しさに耐えかね、毛布を集め抱き枕のように
抱え込んだ。
オレンジの光が優しく澪を包みこむ
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不安そうな顔をした澪を1人残した俺は、iPadを片手に学校へ行く車に乗る。
スクリーンには、1人でいる澪が映し出されている。取り付けた監視カメラが随時iPadにデータとして送られてくる仕様になっているのだ。
部屋で1人でいる澪を見ると、早く戻って抱いてあげたくなってしまう。
思わず口角が上がっていたのだろうか。暁が
「陽輝さん、さすがにキモイですよ。」こんな軽口を叩くのはコイツぐらいだ。
いつも無口のくせに、口を開けば生意気を言うから、たまったもんじゃない。
本当なら、暁と祐介に監視させた方が安心出来るが、何せ2人は俺の護衛かつサポート役として、今隣に座らせている。最近、俺の配下で怪しい動きがあるから裏切らないこの二人がいいのだ。
澪に本当は、学校などという外の世界へ意識を向けさせたくなかったが、澪が俺が居ないことでまた逃げ出すような素振りをするか確かめたかったことと、あともう少しで冬休みである学校に用事があったからだ。
この用意を済ませることで、澪を学校に連れて来ることも可能になるーーー!高校までは、卒業させてあげたいからな。
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