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橡色。2
皆の目が気になって音をたてないよう、教室のドアを静かに開ける
教室にいるひとは、異様に少なくて、今日の食堂の日替わりメニューが豪華なのかな...とか思いつつ澪は、静かに自分に残された最善の行動は、何かを考え ぐるりと入ってきた後ろのドアから観察すると、
一方、クラスにいる人は、まるで厳しい先生の授業を受けているような、、、座席表通りの位置に座り、各自黙々と自分用の昼食を食べていた。
とても重たい 空気が。
ーーーふぅ
澪を呼んでいるという陽輝は、教室に入った瞬間、いつものように、他の人と見た目、雰囲気...など違うように感じるからだろうか、、、秒で見つかった。誰か後ろの席を2つ陣取って向かい合わせて、座っていた。
ドアから場違いのようなクラスの空気を感じて、中々一歩進めずに陽輝を見ていたら、
窓から空を見上げていた陽輝が首を捻り、視線があう
机上の上には、いつものように購買で買っただろう弁当。いつもと違うのは、ボクの為に買っただろう同様の弁当があった。
ボクは、皆の目など忘れて陽輝に詰め寄った。
「こ、こんないいもの食べれないよ...はる!」
すると、陽輝はクラスで見せるような、鼻と口で
ふふふ、と柔らかく笑って、
「食べて」と一言話す時だけ、目から光がぬけ表情の抜けたような表情で澪に告げた。
思わず澪は、「ヒッ」と小さく声を漏らした。
その表情は、澪がその表情から昨日までの過ぎた快楽と苦痛を思い出して、静かに コク と頷くまで続いた。
陽輝に囚われる以前の澪は、陽輝がどんなに物や場所を与えようにも迷惑かけるまいと頑なに断ってきた澪だった。
そんな澪の変化に気づき、刻刻と澪が関わる人間が少なくなっていく状況に満足している陽輝に澪は気付かない。
そして、気付く日は、来るのだろうか。
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2つ更新します。これは、1つ目です。(2021/1/22)
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