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橡色。4

その問に、澪は戸惑う。なぜなら、陽輝が求める答えが分からないからだ。 どう答えたら、陽輝の望む答えなのかな....。 答えに迷う澪は、「エッと...えっと....」と繰り返す そんな澪に陽輝は、「ん?」と優しい声色で聞く姿勢を保つ。 陽輝のそんな態度に、澪はますます答えを早く出さなきゃっと焦り、 そのままの感情で「わかんないっ」と答える。この答えでいいのか、陽輝の顔色をうかがう前に陽輝が、 ガバッと 抱きついてきたので、それは叶わない。 それでも、澪の答えが合っていたか、確かめるために 陽輝の所動に気をつかう。 少しの間、待っていると、ずっと何も 言わない陽輝が、抱きついていたのを少し離し、 耳もとで、 「教えて、くれて、ありがとう...」とつぶやいた。 相変わらず、ハルの顔は、眉毛がしょげていたけれど、怒った素振りは見えない どうやら答えは、大丈夫だったみたい 心の中でそっと息をはいた。 ハルの綺麗な手が、僕の頬を撫でる。 澪は、無意識に頬に触れた陽輝の手に、擦り寄るーー そんなさりげない1つの行動に 陽輝の心は 激しく揺さぶられるのだ。 頬に触れる温もりに、ぼーっとしていた澪は、 「れーい、もう寝よっか...」 という、陽輝のいつもの笑顔で覚醒して、、 またもや 戸惑う。 「え...えと、...」 毎晩してた、僕をハルのもの にする行為は、やらないのかーー?と困惑の表情がでていたのか 僕の疑問は分かっているというように陽輝は、いつもの笑顔で僕をベッドに誘導するーー なんだ、しなくていいのかーー安心した、うん、でも 少し心細い....何故だろうか。 陽輝は、澪をベッドに腰かけさせると、リラックス効果があるという評判のミルクティーをカップに注ぎすすめる。 「れーい、これ!美味しいから、飲んでみて!」 澪は、「うん」と素直に頷き口にする。 澪は、何も疑問に思わないで、全て飲み干す ほんのり温かい... ずっと緊張してたからか、すぐに眠気が襲ってくる。 まだ帰ってきてすぐなのに...ねむ..い 「んム...ん...」 「れーい、寝ていいよ..」 「ン...」 「れい、首輪、寝てる間は苦しそうだから、 とろっか....」 陽輝が、眠そうな、澪に声をかける。 首輪が外される.. その瞬間に思考だけが瞬時に駆け回る えっ...なん、で!...なんでずっと着けさせていたのに.... なんで.,.. もしかして、すて...るの...? けれど、澪は、眠気に勝てなくて、意識を暗闇に落としてしまう。 そんな目を完全に閉じた澪の瞼を優しく撫でる。陽輝は、日課にしている、澪の額に口付けをすると、静かに仕事をしに、地下の部屋を後にした。

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