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悪夢(陽輝視点)

しっかり眠った澪を確認して、仕事に移る。 陽輝の大半の仕事は、上がってきた書類に目を通し、許可を出すだけなので、頭は使わない。 だからこそ、考えにふけってしまうのだ。 設置された机上のライトの光と書類をめくる 音だけが室内で目立つ。 「ハーーー」陽輝は、静かに息を吐き長い腕を頭上に上げ、伸びをする。 薄暗い部屋の中で月の光が窓の縁を輝かせているのが見える。 考えることは、いつも一つ。 れいのことだ。 今日は、澪を学校に行かせた。喜んでくれると思った。しかし、いや、やっぱり澪は、学校の奴らと話せず落胆していて、楽しいとは答えてくれなかった。。けど、他の奴と澪が笑いあっていたり、、話していたり、、我慢が出来ないだろうから、禁じた。澪の結婚の話が出る前は まだそれらは我慢出来た方だったように思うが.....。 澪は、傍にいる人間が俺だけになっても縋らない。 閉じ込めていない以前の方が、まだ縋ってくれていた。何でもお願いしてくれれば、叶えてやれるのに...! けれど、体をつなげた時には 無意識に腰を揺らし 可愛いくおねだりする。 澪の可愛い姿を思い出し、思わず頬が緩み だらしない顔になってしまう。 可愛い 可愛い 俺だけ の 澪 。 澪がいる室内を映し出したiPadを取り出し、画面の中で寝ている澪を撫でる。 澪は、こちらに来てから睡眠が異様に浅い。俺が隣に寝て、物音を立てるようなら 体をよじり 起きそうになる。物音を立てないように、気をつけているから途中で起きることはまだないけれど....。 今日は学校で居眠りをしていなかったから、紫雨家にいたよりは寝られているのか.....。または、クラスメイトに話すことを禁じたせいで学校がストレスになっているのか......。 どちらにしろ、心地良く寝て欲しいのだ。 だから、外させたくない首輪を外し、飲ませたミルクティーには眠剤をいれさせてもらった。とは言っても3時間程眠れるようなものだ。 「…ん?」寝ている澪を良く見てみると、青ざめた顔で苦しそうに、呻いていた。 「…くそっ! 」 陽輝は、椅子を乱暴に引き、澪がいるもとへ、慌ただしくかけていく。 無理に眠らせたのが悪かったのか?でも、熟睡させたかったし....。 学校でのストレスか?けれど、行かせたかったし...。 今まで平気だったのに、どうして急に、、、。 仕事で澪の元を離れたのが、悔やまれる。 ああ、あの苦しそうな顔を早く楽にさせたい。 陽輝の部屋のドアが乱暴に 閉められた。 バタンッ

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