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Ωは全てにおいて劣っている。頭脳も、力も、全てにおいて平均以下。 容姿に恵まれる確率が高いが、それでもΩというのは子供を産むための存在だという事に変わりはない。αに従い、その子供を生まされるだけの存在。 そんなのごめんだった。でも俺は幸運にもβにしか見えない見た目をしていた。 ジイさんのおかげで俺はスラムの中じゃ頭がいいし、同じ年頃の奴らはみんな栄養が足りてないからそこに俺が紛れてもなんの違和感もなかった。 それに体に十分な栄養が行き渡らないから発情期なんてものも来なかった。普通のΩなら12歳前後で来るらしいが、幸運にも俺はその普通に該当することはなかった。 だから、ずっとそのままだと思っていたんだ。 都で見るαにも俺は何も思わなかった。あっちだって俺がΩである事に気が付きもしなかった。それなのに、 「ひぅ…っ!ぁ、あ、触んな、いやだ…っ!」 気がついた時には俺の足の間には同じ男の体があって、 「ぅああっ!いや、嫌だ、抜け、抜けってばっ!!」 内臓を抉られる様な感覚と、吐き気がする程の快感が体を襲った。 「っ、うるせえ…!黙って喘いでろクソが…っ」 肌がの当たる渇いた音が部屋に響き、訳がわからないままに俺は知らない男に犯されていた。 声と匂いからして先ほど死神だと言われていた男だとはわかる。だけど、なぜこうなったのかがわからない。 「っ、ふ、ぁ、う…、なん、なんで…っ、俺、こんな…っ」 「っは、お前が抑制剤も飲まずに俺の前に、現れたからだ…、」 ぐちゅ、と信じられないほどに濡れた音が耳に届いて全身が熱くなる。薄暗くて顔も見えない男が腰を振って、俺の中を好き放題犯して行く。絶対に嫌なのに体に全く力が入らない。 体を包む甘い匂いに体の奥が疼くのがわかり、それと同時に男の体が震えた。中に突き込まれたものが更に質量を増して中を圧迫する。それに俺の口からは耳を塞ぎたくなるほどの甘えた声が漏れた。 「もう一回トんでろ。その間に終わらせてやる」 薄がりの中でも光って見える紫の目が細くなったと同時に今までの比じゃないほどに香りが強くなり、俺の理性は一気に焼き切れた。 そこから俺が覚えているのは、ただこの男に抱かれ続けたことだけ。 途中交わした言葉も、ここがどこでこいつが誰なのかもわからないまま俺と男は交わり続けた。

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