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何事にも始まりがあり、それをするに至っての理由がある。 そう何度も教わった。 だから考えた。何故こうなったのか。何故そうしてしまったのか。 考えれば考えるほど答えは一つにしか結び付かなくて、けれどそれを認める事が出来るほどの余裕なんて持ち合わせていなかった。 欲しいと思ったものは既に違う誰かのもので、その関心を向けられる事なんてなかった。 子供のわがままの様だと、何度も思った。 けれどいつしかわがままで何が悪い、と思うようになった。 開き直れば全てがうまく行き始めた。 これが正しいのだと思った。 だけど何故だろうか、満たされない。 何をしても、何を勝ち得ても、内側は渇き切ったままで、とにかく退屈だった。 「兄上」 そう呼ぶ声が疎ましいと思うようになったのはいつだろう。 「殿下」 アイツを温かな声で呼ぶ奴らを煩わしいと思ったのはいつ頃からだっただろう。 全てにおいて秀でて、与えられている筈なのにいつも敗北感を覚えていたのは何故だろう。 「…ヴァイス…、」 泣きながら名前を呼ばれるアイツを羨ましいと思ったのは、いつだろう。 嗚呼本当に、 「面白くないなぁ」

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