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04ー2

朝起きた時とんでもなく頭が痛かった。 ガンガンと頭の中で鐘が鳴っていると思う程に痛くて視界が定まらずベッドから起き上がろうと腕をついたらそこに何もなくて俺はそのままベッドから転げ落ちてしまった。 ゴン、という鈍い音が部屋に響き内側と外側くる痛みに悶えていれば段々と頭が冴えてきて昨夜あった事を思い出し自嘲気味に笑ってしまう。 なるほど、こんなに頭が痛いのは泣きすぎたからかと納得してゆっくりと起き上がる。 重たく感じる目蓋に腫れてしまっているなと苦笑いをして寝巻きのままドアを開けて階段を降りれば人の気配がしない事に首を傾げる。そのままいつも食事をしている部屋に入りテーブルを見るとメモが一枚乗っていた。 綺麗な文字でジイさんから出かけると一言その下にはイチとニイの街のお手伝いに行ってきますという辿々しい文字が文字が一つ。 それで今日は家に一人である事を悟り欠伸を一つ零すとまずは顔を洗う事にした。 鏡に写るいつもよりも酷い顔に笑ってしまいながらタオルで顔を拭いて先ずは水を一杯飲み干して、それだけで不思議と頭痛は引いたが食欲は驚くほど無かったので何も食べずにとりあえず家の掃除をする事にした。 「…この感じすげえ懐かしい…」 埃を払い床を磨き洗濯をしてそれを干して、洗ったシーツを外で広げていた時にふと声が漏れた。 以前は当たり前だったのに、と苦笑するがきっとこれからはまたこの日常が当たり前になっていくのだろうと暗い感情に引っ張られそうになったのを頭を振って切り替えて残りの洗濯物を干していく。 からりと気持ちよく晴れた空に程よく吹く風、随分と過ごしやすくなった気候に心地よさを感じて目を細めていればピクンと耳が慣れた音を拾った。 足音からしてこれはニイかなと思い音のする方に目を凝らして、人影が確認できたところでそこに向かって手を振って見せた。 「ニイー、おかえりー!」 「ソロー!」 小さな影がぶんぶんと元気よく手を振るのを見てその可愛らしさに思わず笑ってしまう。空を見れば太陽が丁度真上に来る頃で、そろそろ昼飯かと思い目線をニイに戻した時その後ろに怪しい影がいる事に気がついた。 子供を狙った誘拐犯かと殺気立つがその影は凄まじいスピードでニイを通り越し間違いなく俺に向かって来ていた。 「…は?」 全身を黒のローブで隠した怪しさしかないそいつに全身の毛が逆立つがニイがいる中逃げるわけにも行かず立ち竦んでいれば風の勢いで顔を隠していたフードが外れ輝くような銀髪が現れた瞬間俺は逃げ出していた。 「っ、待てソロ!」 俺の名前を呼ぶアイツの声と、泣きそうな声で俺を呼ぶニイの声が聞こえる。 ごめん、と思いながら俺は家の中に逃げ込んで自分の部屋に入りドアに鍵を閉めた。全身から一気に汗が吹き出して心臓が嫌な音を立てて軋み出す、 ドン、と強い力で扉を叩かれて体が大袈裟なほどに跳ねた。 どうして、なんで、ここにいる。なんで、 「…ソロ、頼む、開けてくれ」 どうして、 「…ソロ、」 なんで、そんな声で俺を呼ぶんだよ。

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