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第3話・それでも大好きなあの人。(6)

「っつ、っひ……いやぁ……」  身体に力が入らない。  先端から根本へと、行き来する手が邪魔だ。  ぼく自身を擦る手は絶妙な力の入れ具合で、ぼくがイかないように――でも感じるように強弱をつけて弄ってくる。  その度に水音が生まれ、次第に大きくなっていく。 「っひ、あっ、ああっ……」 「いいね、その声。すごくソソられる」  ねっとりとした息が耳孔に触れて気持ちが悪い。  それなのに、ぼくの身体は熱を帯び、男の人に翻弄されて快楽を感じている。 「ああ、もう限界。今ここで挿れちゃおっかな」  ぼくのお尻に、硬いものが擦りつけられた。  これはきっと、男の人の……。 「っぅ……」  いやだ。  こんなの、イヤだよ……。  こんな時でもぼくの脳裏に浮かぶのは、やっぱり三浦先輩だ。  ぼくは馬鹿だ。  ぼくを嫌っている先輩が助けに来てくれるわけがないのに……。

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