33 / 61

第4話・追って追われて恋模様。(11)

 だけど、好きな人に抱かれて、心は満ち足りた気持ちにもなる。  先輩はぼくの内壁を掻き分けて最奥を目指し、ゆっくりと入ってくる。 「せんぱ、せんぱ、好き、好きですっ! ああっ!!」  目から涙があふれて止まらない。  だけどそれは悲しいからじゃなくて、嬉しいから……。  腕を伸ばし、先輩の広い背中にしがみつく。 「俺も好きだよ。もう離れない」 「っひ、あああああああっ!!」  先輩の全部がぼくの中に入った時、二度目の吐精をした。  おかげで中にいる先輩を内壁で締めつけ、お腹の中に先輩の白濁が流れ込む。  大好きな先輩に貫かれ、その反動でほんの一瞬、意識を手放してしまったらしい。  ぼくのおでこに柔らかい何かが当たった。  目を開けると、そこには目を細めて微笑む先輩がいた。  何気なくふと隣を見ると、ぼくの指には、先輩の長い指が絡まっている。

ともだちにシェアしよう!