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えぴろーぐ。(2)

 唇の動きはこうだ。  一番最初は口を窄め、  次は横に広げる。  唇の動きのままに発音してみる。 「ス、キ」  っつ!! 「ふにゃあああ……」 「おい、どうした? 真壁!?」  全身から力が抜けてしまったぼくは、もう放心状態だ。  頭上からは、ぼくを心配するみんなの声が聞こえるけれど、もう何も頭に入らない。  ぼくはただただ床にへばりついた。 *えんど*

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