40 / 61

番外編2・電話して抱かれて恋模様。(2)

 傍にいたい。  大好きな先輩を見ていたい。 「会いたいよ、けんと……好きなんです……せんぱい。寂しいよ……」  いつかは先輩とお別れしなきゃいけないと思うと切なくて。  悲しくて。  嗚咽を漏らし、泣いていると……。 「えっ? 翔夢(つばさ)くん?」  うぇえっ!? 「はぅっ!?」  先輩の声がスマートフォン越しから聞こえてきてビックリした。  一瞬、ぼくの心臓が止まった。  どうやらぼく、いつの間にか通話ボタンを押してしまっていたらしい。  うっわ、間抜け。  ぼくってば間抜けすぎるっ!! 「あ、あのっ! えっと!!」 「待ってて、今からそっちに行くから」  ぅええっ!? 「あ、あの、せんぱっ」  いいです、ぼく、ひとりで大丈夫です!!  そう言おうと口を開けると、すぐにスマートフォンからは、ツーっていう電子音が聞こえてきた。

ともだちにシェアしよう!