51 / 61
番外編4・想われて想って恋模様。side:健遙
今は三限目の古文。先生は風邪のため、授業は自習になった。
そんな中、俺はグラウンドでサッカーボールを追いかけている年下の恋人を見つめていた。
体操着から覗く白い腕と足。それに上気している頬と息を切らす唇が艶っぽい。
真壁 翔夢 くんは相変わらずとても可愛らしい。
「おっ、翔夢くんじゃん」
俺が恋人を見つめていると、中学から腐れ縁の大和が口を開いた。
どうやら彼も翔夢くんを見ていたようだ。
「気をつけろよ、健遙。最近翔夢くんが色っぽくなったって狙う奴多いから。しかも本人無自覚みたいだし、そういうのが一番無防備で危ねぇんだよな」
「……煩 い」
余計なお世話だ。
俺が初めに手を付けたんだ。
当然、誰にも渡す気はない。
なんとも下世話な腐れ親友に、俺は苛立ちを隠せない。
大和から背を向けた。
ともだちにシェアしよう!