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番外編4・想われて想って恋模様。(2)
「で? お前は授業中にどこに行くんだ?」
「どこだっていいだろう?」
「翔夢くんは今日、片付け当番だって言ってたぞ」
訊 ねた大和は俺の行き先をとっくに見抜いていた。
ひらひら手を振って俺を見送る。
大和のヤツ! いったいいつの間に翔夢くんと話すようになったのか。
俺なんて二年もかけてやっと最近話せるようになったっていうのに!!
俺は苛立ちを隠せないまま教室を抜け、グラウンドへと進む。
時刻はちょうど授業が終わる十分前だ。
サッカーをしていた翔夢くんたちはグラウンドにはいない。
どうやら授業は終わったらしい。
ともなれば、大和の情報が正しければ翔夢くんは倉庫にいるはずだ。
俺はそのまま体育倉庫を目指した。
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