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番外編4・想われて想って恋模様。(3)
倉庫に行くと大和が言ったとおり、翔夢くんはサッカーボールと格闘していた。
直そうとしているボールがなかなか彼の言うことをきかず、頭上から落ちてきそうになるのを必死にキャッチしている姿が目に飛び込んできた。
なかなかの可愛い仕草に、思わず笑みがこぼれてしまう。
「阿東 くん、これで片付けは終わりだし、後はぼくがやっておくよ」
どうやら彼も同じ片付け当番らしい。翔夢くんはその子に話しかけていた。
俺は片付けのやり取りをしている二人の背後に立った。
すると翔夢くんと一緒に後片付けをしている子の方が先に俺の存在に気が付いた。
「あ、じゃあ。俺もう行くな」
どうやら俺の用事が翔夢くんにあることを悟ったのだろう彼はそれ以上何も言わず、一礼すると、すぐに走り去っていった。
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