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真七くんのファンイベント 2

 20人のファンとのセックスを終えて、休憩を挟んだ後はトークイベントが開かれた。抽選に漏れたファンもこの時間からは参加できるとあって、客席にはずっと人が増えていた。その光景に、真七は戸惑う。彼ら全員が自分を見るために来たのだとは、にわかに信じられなかった。  どきどきと胸を鳴らしながら壇上に上がると、拍手が起きて、真七ははにかみながら手を振った。客席にはついさっきセックスしたばかりの男達の顔もあって、どう振る舞えばいいのかわからなくなる。 「真七くん、さっそくですが、お疲れ様でした」  司会進行役の男性は、真七が隣に座るとそう切り出した。 「一般男性とは未経験と聞いていましたが、男性ファン20人とセックスするという企画、緊張したんじゃないですか?」 「あ……はい、すごくドキドキしてました。うまくできるのかわからなかったし、それに最初は、20人も来てくれるのかどうか不安でした」 「真七くんとセックスしたい男性は世界中にいますよ。今日の20人はとても幸運な20人ですから」 「そんなにいるのかな……。でも、期待して来てくれてるのはわかったので、がっかりされないように頑張りました」 「制限時間が3分だったんですよね。一人につき。それが20人だから、1時間以上ですか。お尻の方は大丈夫です?」 「えっ……あっ大丈夫です。はい……、時間が短いから、気持ちよくなってもらえるか心配だったんですけど、何人か中でイッてもらえて……嬉しかったです」 「それはよかったですね。真七くんは気持ちよくなれました?」 「あ……はい、あの、僕はずっと脚を開いて待ってて、そこに一人一人来てくださるんですけど、ドキドキするし、恥ずかしいしで、僕もやっぱり興奮しちゃって……何度もイッちゃいました。あと、当たり前なんですけど、皆さん大きさとか形とか全然違うし、その、動き方も人それぞれで……ずっと驚きっぱなしで……気持ちいいのとびっくりするのとで、お仕事だってこと忘れちゃいそうでした」 「忘れて楽しんじゃってもよかったんでは?」 「でも、皆さん今日のために予定空けたり、交通費出したりしてわざわざ来てくださってるので……ちょっとでも満足してほしくて、僕なりに頑張りました」 「素晴らしい。これは、ファンの皆さん惚れ直してますよ」 「えっ、いやっ、満足してもらえたかどうかはわからないので……!」 「いやいや、憧れの真七くんとセックスして満足しないなんてことないでしょう」 「憧れ……てくれてるんですかね?」 「皆さん真七くんのえっちで可愛いところをたくさん見てきたでしょうから、それは憧れと言っていいと思いますよ」 「そうですかね……そうだったら嬉しいです……。僕はいつも先輩や攻めの人にリードされてばっかりなので、もっと自分から色々できるようにならなきゃなって思ってるんですけど……」 「それはセックスも含めて?」 「もちろんです。僕、騎乗位とか全然うまくできなくて、こないだも先輩に笑われちゃって。練習してるんですけど、うまくなった気がしないです」 「騎乗位の練習って、えっ、どういう練習するんですか?」 「どういう……ええと、恥ずかしいな……。家で床にディルド立ててしたりとか……」 「あっ一人でするんですか? うわあ、何というか、すごく健気ですね」 「こういうの健気って言うんですか?」 「だって、皆さんに見てもらうために練習してるんですよね? いや、すみません、一瞬練習に付き合ってくれるような彼氏がいるのかと思って」 「いませんよ! そんなの」 「真七くんはデビューからずっと総受けポジションですが……もしこの業界で彼氏ができたら固定になったりするんでしょうか?」 「ええ……どうなんですかね……。確かにそういう人達もいますけど、僕は恋人っていうのがまだピンとこないので……。でもほんとに愛し合ってるセックスはすごく素敵だなって思うので、いつかしてみたいですね」 「それはお客さんやカメラの前でも?」 「だ、だって、そういうのを見てもらうのがお仕事なので。それでえっちな気分になってもらうのも、可愛いとか好きとか応援したいって思ってもらうのも、ほんとにすごく嬉しいんです」 「やりがいを感じてる発言ですね」 「やりがいはあります……もちろん。見られながらえっちなことするの恥ずかしいって思いますけど、僕がほんとに恥ずかしがったり、気持ちよくなったりするのを見せるのが大事って、先輩にも事務所の人にも言われました。僕も最近は、見てくださってる皆さんは、色んな意味で本物が見たいんだなってわかってきた気がします」 「それはますます恋人ができるのが楽しみですね」 「そっそれはできるかどうかわかんないですけど。その、できても一般の人かもしれないし」 「でも、真七くんが本当に好きな人に抱かれるところ、見たい人は多いと思いますよ」 「それは……僕が好きになっても、抱いてもらえるかどうかはわかんないですし……」 「何言ってるんですか、さっき20人を骨抜きにしたところでしょう」 「ほっ骨抜きにはしてないですよ!」 「いやいや、みんな真七くんのお尻が忘れられなくて、今夜はきっと眠れませんよ」 「そっ……、あの、皆さん、ちゃんと寝てくださいね? 皆さんが元気でこれからも見ててくれないと、僕お仕事なくなっちゃうので……」 「それはもちろん見ますよ。真七くんのえっちで可愛いところ、これからもたくさん見せてください」 「はい、あの……本当に今日は素敵な経験をさせてもらえて、ありがとうございました」

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