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第13話 ②

「だけど、結婚しなくても良いだろうし、子供も作らなくて良いだろうけど――それを理由に、恋もしないっていうのは、ちょっとよく分からないな」 『分かってもらおうと考えて喋っているわけではない』 「うん。だとしてさ、それ……モテない言い訳とか、恋をするのが怖いコミュ障とか、なんか、そっちじゃなく?」  思わず素直に聞くと、扉の向こうから激しく吹き出した気配があった。しかも――その時、なんと、ルカス以外にも、何人もの人々が咽せた気配があったのだ。俺はてっきり扉の外には一人しかいないと思っていたため、驚いた。 「え? 外には一体、何人の護衛がいるんだ?」 『……』  しかし、ルカスも含めて、誰も答えてくれない。すぐに気配も、ルカスのもののみに戻った。 『しかし、お前なぁ。俺が真剣に話しているというのに、その言い草は何だ?』 「本音を……だって俺、一生ここから出られないわけだし、素直に生きていこうと思って」 『――どうだろうな? 出られるかもしれないぞ』 「へ? 例えば、どうやって? 俺、脱走とかそういう、更に刑が重くなりそうなことは、絶対にしないからな」 『妃になれば良い』 「はぁ? 俺は男だし、男が妃になった例は、歴史書を見てもほぼ無いし、そもそもここは牢屋の代わりなんだから、国王陛下が足を運ぶ日は来ないし、仮に来たとしても俺を見初めるとは思えないぞ? どこから来たんだ? その発想こそ」

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