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第17話 ⑥
「だって、外に出て、もし他のお妃様に子供が出来たら、俺の子供だって疑われちゃうかも知れないんですよね? むしろ、そういう事にして、追い出す感じじゃないですか? お家騒動的な意味で」
「いいや」
「断言して、絶対に無いですか?」
「ああ。お前を妃にするという理由をつけて、全候補者を帰宅させる事に決めた」
「え!?」
「我ながら名案だ。いやぁ、まさか、恋に臆病でコミュ障の俺が、ついうっかり一目ぼれしたという記事を、明日の王国新聞の一面記事のネタとして、提供してしまう日が来るとはなぁ――既に根回しを始めている」
嘆くような口調の後、余裕たっぷりに笑ったルカス陛下を見て、俺は気が遠くなりそうになったのだった。
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