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第21話 ④

 余裕たっぷりな表情で、陛下が腕を組んだ。俺は涙ぐみながら俯いた。クスクスと笑いながら、そこに侍従が紅茶を二つ持ってきた。穴があったら入りたい……。 「それに、職場でのお前の評価は、童顔だが、眼鏡と髪型のおかげで、若干デキる風を意識している様子だとの事だったが――プライベートでは、童顔をさらに子供っぽく見せる茶髪で、眼鏡もかけていないらしいな」 「……童顔? 誰がそんなこと言ったんですか? 絶対許さない」 「つまりオルガ。お前は、書類に対する姿勢以外は、俺から見ると、とても幼い」 「……そんな俺を迎えるってことは、ショタコンさんですか?」  俺が目を据わらせてボソッというと、ルカス陛下が咽せた。綺麗な金髪が揺れている。 「違う。俺は、別に、お前に閨の要求はしていない。俺が要求している事柄は、基本的には一つだ」 「なんですか?」 「妃業務だ」 「具体的には?」 「書類仕事だ」  それを聞いて、俺は目を丸くした。  ――ん? 「正妃が担当する分の仕事をする人間が存在しないため、現在は後宮専属の、妃補佐官が分担して仕事に励んでいたんだ。明日からは、この部屋から、妃補佐室がある第四塔へと向かい、書類をこなして、ここへ戻り寝てくれ。きちんとトイレに鍵はある」  ルカス陛下が、笑顔を浮かべた。俺はまだ上手く現状が理解出来なかったので、とりあえず曖昧に頷いておいた。

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