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第42話 ④

「そ、そこまで……そこまで赤くなられると、こちらが反応に困る……!」  するとそんな俺を見て、陛下まで赤面した。俺達は真っ赤になったまま、ずっと顔を見合わせていた。  結局その日の夜――俺達は、可能な限り距離を取り、お互い背中を向け合って眠る事にした。俺はちなみに、一睡も出来なかった。この日は、陛下も朝まで俺を抱きしめる事は無かった。何せ、陛下も一睡もしていない様子だったからだ。何やら時折呻いていたから、俺はそれが分かった。寝息も聞こえなかったのである。  ……陛下が悪い。だって当初、俺には閨を求めていないと話していたのだから!  確かに、そろそろ本来であれば、俺にとっての週に一度の楽しみの日が訪れる頃合なのだが……それとこれとはちょっと話が違うだろう。  こうして、視察当日の朝を迎えた。

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