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第17話 呼ばない代わりに抱きついてやる
「ふ、…ん………っ」
どうにもならない悔しさに、眉根が寄る。
首筋から顔を上げた網野は、皺を刻む眉間に唇で触れる。
「イって、いいっすよ。……オレも、出そ…」
射精を我慢しているのだと勘違いした網野の腰つきが荒くなる。
これ以上奥には挿 らないと思っていた場所を、さらに抉じ開ける。
「はっ……はっ…、は……」
獣そのものの息遣いで、ピストンを繰り返す網野の顔から、汗が滴る。
肌に落ちた汗の感触に薄く開けた瞳で、網野を見上げた。
視線の先で、雄のフェロモンを爆発させた網野が、満足そうに微笑んでいた。
「大希、さん……、」
ごく稀にしか呼ばれない名に、背が痺れる。
意味もなく瞳が潤み、きゅんきゅんと俺の中に埋もるペニスを抱きしめるように締めつけた。
擽るように俺の頬を撫でた網野が、言葉を繋ぐ。
「好き」
網野は自分の放った声を耳で捉え、堪らないというように、小さく笑う。
「マジで……、好きっ」
俺の頭を一撫でした網野は、ごりごりと俺の奥深くを抉った。
「ひ、ぅ……ぁ、……ぁ、あみ、の…っ」
情けない声を上げ、網野の腕に縋る。
どこまでも堕ちていきそうな身体に、その腕に爪を立て、抱き締めろと催促する。
俺は未だに、まだ網野の名を呼べない。
それでも、倒れてきた身体は、オレを包み込むように覆い被さる。
名を呼ぶ代わりに、好きという言葉の代わりに、近づくその身体に、ぎゅっとしがみついた。
「ぁー……っ、くっ」
ぐいぐいと奥の奥へと突き込みながら、唸り声を上げた網野の腰が震える。
自分の射精のタイミングで、強く扱かれた俺のペニスからも白濁した粘液が弾け飛んだ。
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