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第68話 心置きなく
ずずっと奥へと押し込みながら、マコトが口を開いた。
「ねぇ……、なんで、育が、出て、きた、の?」
言葉を切りながら、その都度、奥へ奥へと挿り込んでくる。
「ん……ぁ、誤解……、解けっ、て」
片足が持ち上げられたままで、自重も加わる体勢に、より深くマコトのペニスが挿り込んでくる。
「誤解?」
小さく腰を打ちつけながら、マコトは首を傾げる。
「ん……、ちょ、止ま………ぁ、…」
小刻みに穿たれながら説明など出来るはずもなく、マコトに止まるよう願い出る。
不服げにしながらも、俺を楔と腕で支えながら、マコトは動きを止めた。
「俺らにかまってて、…っ、恋人に、誤解されたって、いうから」
止まったところで、俺の中ではマコトのペニスがびくびくと蠢いている。
突き上げがない代わりに、余計にその存在が俺の欲情を煽っていた。
「放って、おけ…ねぇ………ぁ、あ、んんっ…急、……っ」
喋り終わらないうちに、マコトが腰の動きを再開した。
「急じゃ、ねぇし。柊、ずっと揺れてんだよ」
俺は、無意識に腰を揺らしていたらしい。
ふうぅと口の端から熱っぽい吐息を漏らしたマコトは、我慢できるかよっと、重く突き上げる。
「ひ……ぁあ…」
びりびりと脳天に響く刺激に背が撓る。
震える内腿が、マコトのペニスを締めつける。
「はっ……す、げ………エロ…」
マコトは、御馳走を目の前にした肉食獣のように、舌舐めずる。
唾液に艶めく唇に、堪らずそこに喰らいついた。
上からも下からも、マコトに侵食される。
どろどろに溶かされた身体に、立っているのが辛くなる。
それでも、目の前の温もりから離れたくなくて、俺は必死にしがみつく。
「ま、こと、連…く」
このままだと、約束にかなり遅れそうだと感じた俺は、マコトに網野への連絡を頼む。
「な、に?」
緩く俺を揺さぶりながら、マコトが首を傾げた。
「あみ、の、にぃ………」
切れ切れになりながら、網野の名前を出した俺に、マコトは、ぴたりと動きを止めた。
「なんで?」
面白くないという感情を全面に出したマコトが、むすっと声を放った。
「セックス、やめたくねぇし……。こん…、状態で……、網野に、連…く、出来ね……ぁっ……」
話の途中で腰を回され、中を捏ねられる。
抉られる前立腺に、身体が跳ねる。
数歩下がったマコトは、俺を抱きかかえたままに、ベッドの上に腰を下ろす。
枕元に放られていたスマートフォンを手にし、『おくれる』とだけ打ち込んだメッセージを網野へと送信したマコトは、俺に向き直る。
「心置きなく、続けましょ」
自信しかない笑顔を浮かべたマコトに、下から大きく突き上げられ、啼き声と一緒に下着の中へと白濁を吐き出した。
それからマコトがイくまで、乱れた浴衣姿のままに、欲に溺れた。
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