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第四章・8
それでいい、と袴田は調子に乗って腰を激しく動かした。
(ダメ。もう、これ以上されると、僕……ッ!)
「あぁーッ!」
茉理の啼き声に、袴田はにやりと笑った。
堕ちた、な。
「今の、本気声だろ? マジ、悦くなっちゃったんだ?」
「ち、違ッ! あッ、はぁッ、あぁあ!」
神経が泡立つ。
意識が飛ぶ。
狂おしい快感の中で、茉理は冷たい袴田の声を聞いた。
「やっぱ、Ωだなぁ。ヤられるように、できてんだ」
ひどい。
こんなひどいこと言われても、僕、感じちゃってるの?
身体が、勝手に動いちゃうんだ。
どうしたら、いいの?
兄さん。
秀也お兄ちゃん!
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