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第五章・3
数日後、秀也と連れ立って校門を出た茉理は、忌まわしい人影を見つけた。
「……袴田さん!」
「何だって?」
そこには、相変わらずにやけた男が立っていた。
(どうして!? もう、兄さんに付きまとわないで、って言ったのに!)
「よぉ、賀来。小遣いくれよ」
秀也は、眉をひそめた。
「貸してくれ、じゃないんですか?」
「もう、返す必要もないと思って、さ」
「どういう意味です?」
「いくらでも金を出したくなる、素敵な動画を手に入れたからな」
「?」
不審そうな秀也に、袴田はスマホを操作して見せた。
画面に映ったのは、裸に剥かれた茉理だった。
『おら、早く言えよ!』
『お、お願いしますぅッ。僕を、僕をもっと犯してくださいッ!』
『いい子だな。ご褒美に、何が欲しい?』
『お腹に、おっきぃの挿れて、くださいッ!』
『淫乱だなぁ。さすがΩちゃんだよ』
『うぅ。うっく、うぅ。くぅう……』
『泣いてんじゃねぇよ。ちゃんと喋れよ!』
『は、早く挿れてぇえ!』
秀也は、目を疑った。
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