42 / 96

第六章・3

 翌日の深夜、秀也は期待半分・不安半分で茉理の出演する番組を見始めた。 「茉理のやつ、大丈夫かな」  何となく、お化けや幽霊は苦手そうな気がする弟だ。  怖すぎて気絶なんかしなきゃいいけど、などと考えながら見ていた。 『今夜はマジコワ! 過去に何度も自殺や殺人が起きているというアパートに、特別潜入~!』 『ここで出演者の皆さんには、ホラー映画を鑑賞していただきます!』 『何かこう、霊を呼び寄せることになるんですかね!?』 『それを逐一、ライブ配信で皆様にお届けします!』 『では、自己紹介をどうぞ!』  そこでカメラは明るく派手なスタジオから、現場の訳アリ物件へと切り替わった。

ともだちにシェアしよう!