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第六章・3
翌日の深夜、秀也は期待半分・不安半分で茉理の出演する番組を見始めた。
「茉理のやつ、大丈夫かな」
何となく、お化けや幽霊は苦手そうな気がする弟だ。
怖すぎて気絶なんかしなきゃいいけど、などと考えながら見ていた。
『今夜はマジコワ! 過去に何度も自殺や殺人が起きているというアパートに、特別潜入~!』
『ここで出演者の皆さんには、ホラー映画を鑑賞していただきます!』
『何かこう、霊を呼び寄せることになるんですかね!?』
『それを逐一、ライブ配信で皆様にお届けします!』
『では、自己紹介をどうぞ!』
そこでカメラは明るく派手なスタジオから、現場の訳アリ物件へと切り替わった。
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