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第六章・7

『お化けなんてないさ♪ お化けなんて嘘さ♪』  一人のんきに歌う茉理だが、周囲はパニックに陥りかけていた。 『今! 今、窓光った!』 『ちょっと待って。このシーン、さっきから同じところばっかり繰り返してる!』 『いや~ッ! あたし、死にたくない~ッ!』  おいおい、と秀也は心配になって来た。 「こんな恐怖与えて、トラウマになったらどう責任取るんだよ」  秀也の心配をよそに、スタジオは平常心だ。 『いや、大変なことになってまいりました!』 『これってやっぱり、本当に霊の仕業なんですか!?』  番組のルールでは、メンバー全員が降参すればアパートから出してもらえる、ということになっている。 「大丈夫そうなのは、茉理だけか」  意外に怖いもの知らずの弟を、秀也は見直していた。

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