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第八章・3
「では、新商品のCMは、茉理くんと秀也くんにお願いしようかな!」
「期待してるよ!」
ぱあぁっ、と茉理の表情が晴れた。
「ありがとうございます!」
秀也も、深く頭を下げた。
「ありがとうございます」
そこで斎藤が、立ち上がった。
「じゃあ、茉理くんは私と一緒に来てくれ。G&Wさんと打ち合わせがある。
「はい!」
「秀也くんは、代理店の牟田(むた)さんが、話があるそうだ」
「はい」
茉理は斎藤たちと席を立ち、後には秀也と牟田が残された。
二人きりになると、牟田は途端に身を乗り出してきた。
「ね、秀也くんは茉理くんと、どういう関係?」
「兄弟、ですが」
「それだけ?」
秀也に、緊張が走った。
この人は、俺に何を言わせたいんだろう。
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